私には身近に3人の社長がいます。取引先の社長、勤め先の社長、親戚の社長、3人には共通点があります。
3人とも仕事中は不機嫌そうで厳しい態度を取りますが、プライベートではとても親切で気前がいいです。大手の役員の方も同じような雰囲気を持っていました。
思い返すと勢いのある会社の社長は皆んなそうだったような気がします。私が出会った社長の印象として、特に初代より2代目社長はキレ散らかしている印象があります。会長である先代の社長からのプレッシャーも感じているかと思います。
立場上、社員や部下を叱らなければならない場面がありますが、それをやり切る力が経営者には備わっています。叱ることはとてもエネルギーを使う行為ですし、人に文句を言われたり、陰口を言われたりしていることも承知の上で、それでも組織を前に進めるために必要だからこそ実行するのだと思います。
さらに、そうした厳しさの一方で、プライベートでは誰に対しても親切に接する姿を見ると、本当に人間的な懐の深さを感じます。
一方で私は、叱ることもできず、怒ることもほとんど忘れてしまいました。納得のいかないことがあっても「勉強になるからとりあえずやってみよう」と受け入れるのですが、結局は面倒くささが勝ってしまい、結果として「頑張ったけれど30点くらいの出来栄えでした」という感覚で流してしまう癖があります。
経営者と自分を比べてみると、その「やり切る力」の違いを強く感じます。嫌われる覚悟を持ってでも責任を引き受け、最後までやり抜く姿勢は、やはり経営者たる所以なんだなと思います。
私は経営者にはなれないなと思いますが、一緒に過ごしていてそのエネルギーはどこから出てくるのかいつも不思議に思っています。